Chrome OS Flex は古いPCの再利用に役立つって事

最近てんちょー日記が月1になっている怠け者のてんちょーです。
FacebookとInstagramへの投稿は毎日やってるんですけどね。
Twitterほど短文でもないし、そこそこ文字数の入力が出来るんで、個人的にはFacebookとInstagramの方が好きですね。

さて今日の話題は古いPCを再生する切り札になるかもしれない「Chrome OS Flex」の話です。

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Windows11へのアップグレードがあまり進んでないって話

昨年秋頃にMicrosoftがWindows11を発表し、最近市販されているPCも10搭載から11搭載のPCが増えてきました。

そもそもMicrosoftはWindows10が世に出た当初は「Windows最後のバージョン」とし、今後は半年に1回大規模なアップデートを続けて提供していく、とされていました。つまり当初は10の次の11が出る事は想定されなかったのです。

しかしWindows10発表から6年目の2021年、Microsoftは方針転換をしWindows10の次のバージョンとしてWindows11を発表し、21年秋に提供開始となったのです。

こうして世に出たWindows11ですが、まだ提供開始して半年も経過してないせいもあるのかもしれませんが、Windows11の普及率は2022年1月現在で0.52%という結果が出ました。(IT資産管理ベンダーLansweeper調べ)

Windows11のUIもウケが悪い要因かも…
Windows11のUIもウケが悪い要因かも…

考えられる原因はいくつかありますが、最も大きな原因は古いPCはWindows11へのアップグレードに対応しない、という問題があります。

細かい事を書き出すとキリがないですが、簡単に言うとCPU内部のセキュリティ機能の有無によりアップグレードが出来る/出来ないが判断され、アップグレード出来る機種は3年位前に販売された比較的最近の機種のみという事になってしまったからです。

CPUのセキュリティ機能の問題なのでこれはハードウェア的な事柄ですからソフトウェアで対処できる問題でもありません。

Windows10へのアップグレード時にはこうした制限が少なかったせいもあり、結構古いPCでも強引にWindows10へのアップグレードがなされていました(むしろやりたくないのにやらされた方も多かったはずです)。
しかしWindows11には上記の通りMicrosoft側はアップグレードへの敷居を上げてしまったせいもあり、結果的に11の普及率は思う様に伸びてないという事になります。

古いPCの再利用する、これまでの定番の話

Windowsで動作するPCはこれまでもサポート終了>買い替えを余儀なくされる事がたびたび起きていました。大きいのは2012年4月のWindows XPのサポート終了、そして2020年のWindows7サポート終了です。

未だに根強い人気のWindows XP てんちょーも某所で使用している
未だに根強い人気のWindows XP てんちょーも某所で使用している

2012年、2020年共、現役Windows OSのサポート終了からの買い替え需要が急激に増加し、中小企業等は複数台のPCの買い替えをするにも予算のめどがつかず、やむなく1世代前のWindowsが動く中古PCを購入する事例も多かったです。

例えば2012年の時は最新OSはWindows7でしたが、1世代前のWindows Vistaで動作するPCを中古で購入したり、2020年の時はWindows8.1で動作するPCを中古で購入した企業が多かったです。

この様に一般的な企業の場合、Windows OSがサポート終了になった場合、多くは買い替えという選択肢を取る事になります。
幸な事に現在のパソコンは10万円以下のものについては経費として処理出来る、資産にならないため減価償却も必要ない事になりますので、台数やそれにかかる費用を考えれば経費で購入できるPCを導入して刷新するという事が出来るのです。

では新しいPCが購入できない会社の場合はどうでしょう。
この場合、業務の内容にもよりますが一般的な事務仕事であるならLinuxという無料で提供されているOSを使うのがこれまでの定番でした(実際ヨーロッパのNATO司令部ではWindows PCからLinuxPCに切り替えた事で莫大な予算削減を行う事が出来ています)。

かつての定番は「Linux」だった

Linux人気ディストリビューションの一つ、Linux Mintの画面
Linux人気ディストリビューションの一つ、Linux Mintの画面

Linuxとは、ですが、これも細かく話すとキリがないのでざっくりと説明すると、核になる部分(カーネルと言います)を共通化し、これに色々なシステムソフトウェアで肉付けをして、Windowsと同等かそれ以上の機能を持ったOSとして組み立てられたものを言います。
最大の特徴は前述の通りこのLinuxというOSは無料で提供がされている点です。

ソフトウェアが無料というのはWindows系OSになれている一般の方からすると不思議に思われるかもしれませんが、そもそもコンピューターの世界はその発生当時はソフトウェアというのは技術者同士で無償交換して作り、使い、改良してゆくのが当たり前だったので、ソフトウェアは「お金を払って買うもの」ではなく「お互いに研究開発して良い物を育てていくもの」という思想があるのです。

Linux等のソフトウェアはオープンソースソフトウェアと言われ、こうしたソフトウェア開発の原体験が今でも根付いているのです。

さてそんな無料で使えるLinuxにも弱点があります。
それはコンピューターへのインストールにある程度の技術力が必要という点です。

何と言ってもLinuxは無料ですから電気店にも売っていません。どうやって手に入れるかというとインターネットからのダウンロードという事になります。
しかもLinuxには肉付けするシステムソフトウェアの違いから非常に多くの種類のLinuxが存在します(これをディストリビューションと呼びます)のでそれを用途に合わせてちゃんと選ぶ必要があります。

更にOS=基本ソフトですから既存のシステムにそのままインストールする訳にはいきません。普通はLinux系OSのインストールメディアをダウンロードしたらDVDやUSBメモリに書き込み、これを使ってインストールしたいパソコンにLinux系OSのインストールをする、という事になります。

ここまで読めばお分かりの通り一連の操作は結構な手間暇を必要とします。
それなりの技術力がないとこうした操作も簡単には出来ませんし、またインストール出来たとしても正常にPCとして操作できるものになるとも限りません。

Windowsが動くPCは一般的に「IBM-PC/AT互換機」とか「DOS/V機」と呼ばれますが、これはIBMが策定した最低限の機械的規格を守れば後は自由に内部機能を変更したものを好きなように販売していい、というPCなので、Windows OSの場合は自由な内部変更の規格にも対応出来る用意があるのに対して、Linuxは内部変更された規格に完全には対応できない部分があり、それが結果的に安価だけど敷居が高く、そして実際に使い物になるかならないかはやってみないとわからないという不安材料も抱えたOSと考えられる様になってしまっているのです。

古いPCの再利用に「Chrome OS Flex」が切り札になるかもしれない話

長々と書き連ねてきましたが、ここからが本題です。

前段の通り、Windows10が動くPCはあとサポート終了を迎える3年以内に更新するか買い替えをするかを考えなければいけません。

しかし買い替えの費用も捻出しづらいご時世、出来れば買い替えずに乗り切りたいと思う方も多いはずです。でもこれまでの定番である無料OSのLinuxは敷居も高くインストールしてもこれまで通りの動きをするかどうかはよくわからないと不安材料も多くあります。
Chrome OS Flex」はこの相反する2つの問題、つまり「機体を買い替える予算をかけず」「導入についての手間暇/技術力はさほど高くない」新しい解決方法になる可能性を秘めているものなのです。

GoogleのCrome OS Flax紹介ページから
GoogleのCrome OS Flax紹介ページから

Chrome OS Flex」と聞いてPCにちょっと詳しい方ならGoogleが開発しているwebブラウザのChromeを思い出す方もいるかと思います。

Chrome OSというのはこのwebブラウザのChromeを使う事に特化したOSの事を指します。そしてこのChrome OSで動作するノートパソコンの事をChromeBookと言います。

しかしChrome OSはChromeBook組み込み用にのみ開発されており、WindowsやLinuxの様にOS単体で市販も配布もされていません。

それはChrome OSにはGoogle独自の機能やサービスが盛り込まれており、Googleはそれらを他者に提供していないからです。

そこでChrome OSに使われているGoogle独自サービスを排して自由に無料で使えるOSとして「Chromeum OS」なるものが作られ、更にこれを一般的なDOS/Vパソコンにインストール出来る様に作られたのが「Cloud Ready」と言うOSです。

Cloud Ready」は2021年にGoogleに買収され、2022年2月によりChrome OSに近づいた形の「Chrome OS Flex」として生まれ変わったのです。

話が紆余曲折してますが、簡単にまとめると「自分の持っているパソコンを(簡易式ながら)ChromeBookとして再生する事が自分で出来る機会が出来た」という事になります。

CloudReadyは既に実用可能域に

大型モニタの向かって右下にあるオレンジのラインの入った箱がエイサーの小型PC
大型モニタの向かって右下にあるオレンジのラインの入った箱がエイサーの小型PC

CloudReadyは実は店内でも使用しています。
大型モニタの脇に置いてあるエイサー製の小さなパソコン、元々はWindows10が動くPCでしたが、ストレージ容量が少なく、Windows10の頻繁なアップデートをダウンロードして適用させていくにはちょっと辛いものがありましたが、そうした小容量のストレージもCloudReadyでは問題なく使用出来ました。

つまりこのパソコンは「CloudReadyで再生出来たPC」という事が出来ます。
また前回のてんちょー日記でもCloudReadyで再生したDELLのモニター一体型PCを使ってZoom会議に参加した事を書きました。あのパソコンも2013年生のパソコンなので9年前のものになりますが、Zoom会議への参加は問題なく出来ました(機能的な制限は多少ありましたが)。
これもCloudReadyで再生出来たPCと言えますね。

さてここまであれこれ書き連ねてきましたが「所詮そんなのはパソコンに詳しい一部の人のものでしょ?」と思われる方がいるかと思います。

しかしChrome OS FlexもCloudReadyもそもそもの発想は多くの人にインターネットの世界に接してほしいがためのものです。
必要なのはWindowsでもMacOSでもなく、「web(インターネット)につながる端末」である事に時代はシフトしたといえるのです。

webさえ繋がればパソコンは何とでもなる時代へ

実のところ、かつてのパソコンの世界は特定の作業をする為には特定のアプリが必要でした。故にパソコンは専門性が先鋭化していったというものがあります。
しかしインターネットが普及、発達してきたことで、特定のアプリを必要としてきたものがwebブラウザ上で処理出来る様になってきました。
その一例をあげると

他にもたくさんありますが一般の方が普通に行う範囲の事は今やwebブラウザを介すれば大概の場合は必要なサービスが得られるようになっています。

つまりパソコンと同じwebブラウザが動作するなら、これで一般の方がやりたいパソコン操作のほとんどが出来てしまう時代になったのです。

ならばChrome OS FlexCloudReadyの動くPCでいいんじゃないですか、って話です。

ワークショップ開催の予定をお知らせ

さてそんなChrome OS FlexやCloudReadyをお持ちの古いパソコンにインストールして再生するワークショップを3月に開催したいと思います。
期日、時間等詳細はイベント情報としてお知らせいたしますのでご興味ある方はご参加ください。

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